男は家を建てる
林に東屋を建てる
畑に納屋を建てる
旅路にテントを張る
子どもたちのためにツリーハウスを作る
言霊のために神殿を建てる
それらの屋根はみな一点、空をめざし
それらの床はみなひっそりと地下室に通じている
男たちは地下で再会する
詩を詠み交わし
涙を流し
ひとつの死 ひとつの生を 黙って受け取る
そしてまた、平気な顔をして
地上に家を建てるのだ
私は大地に耳をくっつけて
確かに彼らの詩(うた)をきいた
空に向かって洗濯物を干しながら
確かに彼らの言霊をきいた